◆4.日本生命(格付機関:ムーディーズ)
日本生命が保有する東京、川崎、大阪に点在する5棟のオフィスビルを東洋信託銀行に不動産信託を行い、総額で96億円のABSを発行しました。ABSはA号(固定利付債、格付けAa2)82億円とB号(固定利付債、同A2)14億円に分けられ、LTVは不動産の評価額約171億円に対して約56%で設定されています。このスキームの特徴は、不動産信託期間が50年というところです。通常は長くても10年~15年ですので、見方を変えれば“売却意志がない”とも読みとれます。
◆5.その他SPC法に則って不動産絡みで登録しているSPCは、前述した通り2000年3月末で17件です。その他興味深いものとして、パシフイック・センチュリー・レジデンシャル・ワン特別目的会社(シテイーライト・ディベロップメントほか)をピックアップしてみましょう。資産流動化計画は期間15年、総額16億円の資金調達で、1種類の優先出資証券4億円(少人数私募)、総額12億円の特定社債(優先・劣後)を発行するというもの。特徴は特定出資者がPacificCenturyJapanResidentialProperty,LLCで、このLLCという日本には存在しない形態の会社であることです。さらに、不動産信託(安田信託銀行との不動産管理処分信託)を利用することで、抵当権者はすべて住友銀行で抵当権設定者はタックスヘイブンの11社となっています。この11社の日本における代表者はジョン・トッド・ボナー氏でSPCの代表者と同一人物となっています。〈抵当権設定者11社〉シティー・ライト・ディベロップメント・グループ・リミテッド(英領ヴァージン諸島)キヤモン・インベストメントメンツ・リミテッド(英領ヴァージン諸島)グラント・パール・リミテッド(英領ヴァージン諸島)リッチライダー・ホールデイングズ・リミテッド(英領ヴァージン諸島)アートキング・ホールディングズ・リミテッド(英領ヴァージン諸島)リッチゲエイト・グループ・リミテッド(英領ヴァージン諸島)シティー・アート・デイベロプメント・リミテッド(英領ヴァージン諸島)ノーブル・フェニックス・インターナショナル・リミテッド(英領ヴァージン諸島)ペチュニア・デイベロプメント・リミテッド(英領ヴァージン諸島)ゴールデン・リーフ・グループ・リミテッド(英領ヴァージン諸島)ビスタ・インターナショナル・ホールデイングズ・インク(英領ヴァージン諸島)(SPC法を利用しない〉